第2章 罅(ひび)※
兄の手が肩から腕、背中からウエストと形をなぞるように滑っていく。
「でも…すごく女の子らしい体つきになったね。ほら…小さい頃とは全然違う」
ウエストから胸の下まで手が上ってきて、ふるふる震える胸を支えるように持ち上げた。
お兄ちゃんの手が体のいろんなところを行き来するたび、昔よくしたくすぐりあいっこの時みたいな、でもそれとはちょっと違う感覚がして、思わず足がもじもじしてしまう。
「おっぱいも膨らんで、ここもピンクでかわいい…とっても美味しそう」
「あっ!」
膨らみを弄んでいた手が、胸の先端をきゅっと握った時、体にびりっとした感覚がして、思わず声が出てしまった。
「かわいい声だね。もう繭の体は充分女の子の体になってる…きっともうすぐ大人になる準備が始まるよ」
「やだぁ、お兄ちゃん触っちゃだめ…なんかへん…」
泡まみれの兄の手が体中いろんなところをなぞると、不思議な感覚に体がびくびくと震えて、その度にへんな声が出てしまう。
いつの間にか兄の体はぴったりと私にくっついていて、お尻のあたりに熱くて固いものの存在を感じた。
兄は私の体をなぞりながら、自分の体を泡で滑らすように擦り付けた。
「はぁっ、はぁっ、繭、ごめん、ごめん…っ。」
「おにいちゃん…なんかこわいよぉ…やめて…」
「ごめん、繭っ…ぅあっ…っ……」
お兄ちゃんに力強く抱きしめられて身動きできないでいると、だんだん動きが激しくなって、お兄ちゃんの呼吸が荒くなって、お尻の辺りにあたたかいものがかかった感触がした。
お兄ちゃんの体が震えて、それからぎゅっと力強く抱きしめられた。
「繭…僕の繭…ごめんね、お兄ちゃんを許して」
「お兄ちゃん…?」
「…体が冷えちゃうね。流して湯船に浸かろう…お腹痛くない?」
「ちょっと痛い…」
お兄ちゃんがお腹を摩ってくれて、後ろから抱き締められるようにして湯船に浸かった。
お兄ちゃんは何度も〝ごめんね〟と繰り返していた。
体を触られた時は普段あんなに優しいお兄ちゃんなのに、なぜか怖いと感じてしまって、でもなんだかそう思ってしまう自分が悪い子な気がして、何も言えずお兄ちゃんの腕の中でじっとしていた。