• テキストサイズ

【呪術廻戦】比翼の鳥 連理の枝 〜第一部〜

第2章 罅(ひび)※



「ただいま帰りました」

家に帰ってからは、いつも通り呪術の勉強をして、〝花嫁修行〟として母に倣って家の事を手伝ったりする。

以前、悟にそれを話したら
「家のことなんか使用人がやるから、お前がそんなことする必要ねーよ」
と言っていたけど、実は呪術の勉強よりもお料理を作ったりする方が好き。

食べてくれる人の嬉しそうな顔を見るのが好きだから。
母も父もお兄ちゃんも褒めてくれて、みんなで一緒に食卓を囲む時間が好きだった。

「おいしい。繭はすごく料理が上達したね」
「そうでしょう、きっと悟様も喜んでくださる。いいお嫁さんになれるわね」
「お兄ちゃんは繭のご飯を毎日食べたいから、お嫁さんにならないでほしいぐらい」
「何冗談言ってるの、●●は」


お兄ちゃんは呪力がないから術師にはなれなかったけど、家の管理をしたり、催事の時は五条家のお手伝いなんかをしている。

6歳の時、父や母はわたしが五条家のお嫁さんになる事をすごく喜んだけど、お兄ちゃんだけは何も言わなかった事を覚えてる。


はっきり聞いたことはないけど、きっとお兄ちゃんは呪術師とかお家のこととか、そういうことはあまり好きじゃないんだと思う。
でもそれを口に出して言うことは両親が許さなかったのだと思う。

私にとっては、小さい頃から優しくて面倒見のいい大好きなお兄ちゃん。

あの時までは、そう思っていた。







なんだか最近、体がだるい。

お腹が気持ち悪い感じがして、あまりご飯も食べたくない。

みんなが美味しい美味しいって食べてくれたご飯も、半分くらい残してしまった。
家族はみんな心配して、早く寝なさいと言ってくれたから、いつもより早めにお風呂に入って寝ることにした。


「繭、どこか体調でも悪いの?」


自分の部屋へ戻る途中、心配そうな顔をしたお兄ちゃんが声をかけてくれた。

「お兄ちゃん…なんか少し前からお腹が気持ち悪くって、変な感じなの…」

「…可哀想に。ゆっくりお風呂に浸かって体をあっためた方がいいね。…そうだ、久しぶりにお兄ちゃんと一緒にお風呂に入ろうか」

「え…」


/ 106ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp