【R18】禪院直哉→私←五条悟❇︎傷だらけの婚約者❇︎
第5章 五条悟②
そう思っていたのに、ゆっくりとななを説得する時間は無いらしい。
悟はななの腰を掴むと、グイッと自分の方に引き寄せた。
「っ…なっ!」
悟の顔が自分の腰にあるのを見ながら、ななが動揺していると。
パンッ!と何かが弾ける様な大きな音がした。
「……おいでなすった…。」
悟はチラッと窓の外を見ると、傑の呪霊の上に、傑と……直哉の姿を確認する。
……結界使ったからね……。
それでも意外に早く見つかった理由は、傑が直哉に協力していたからの様だ。
ななは外に浮かんでいる異形の形の呪霊と、こちらを見ている直哉に気が付いた。
ななの腰にはしっかり悟の腕が巻き付いていて、ななの腰からこちらを挑発している様に見える悟の顔があった。
その光景を見て、直哉の顔が歪んだ。
「…っ悟くん…。」
直哉のその様子に気が付いて、悟を引き離そうと彼の肩を押すが、悟はビクともしなかった。