【R18】禪院直哉→私←五条悟❇︎傷だらけの婚約者❇︎
第5章 五条悟②
ガラッと直哉が部屋に入って来た。
ななの動悸が早くなり、表情が強張った。
「…すげぇ動悸…。」
悟はくっ付けている耳から聞こえる動悸に、ニヤッと笑った。
「……悟くん…早よ退いてくれへん?」
直哉の表情は1つも笑みが無かった。
それなのに悟は一向に手を離さない。
いい加減我慢の限界だった直哉がななの腕を引っ張った。
グッとななの体が離れようとして、悟は改めてななを抱き締めた。
そしてななの首元にキスをする。
「?!」
その状況に戸惑っていただけのななも、流石に悟の行動に驚いた。
直哉の表情が一層暗くなり、ななを引く力を強めた。
ななが痛みで顔を歪める前に、悟はななを離した。
ななを腕の中に収めて、直哉はようやくななを抱き締めた。