【R18】禪院直哉→私←五条悟❇︎傷だらけの婚約者❇︎
第5章 五条悟②
状況を理解するより先に、ななの顔が赤くなった。
「なっ何するの?!」
悟の唇が触れた手をソファで擦ってななは怒りながら言った。
「………それ地味に傷付くな…。」
ゴシゴシソファで手を拭いているななに、悟は不機嫌になりながら言った。
逆ギレもいい所だ。
今間違いなく、キスしようとしてきた癖に。
「っもう帰る!」
ななはバッとソファから立ち上がった。
「出れないよ〜。」
悟はそう言いながらドアに歩いて行くななの背中を見送った。
「?!」
悟の言葉の通りに、ドアを開けようとしても無理だった。
ななは恨めしそうに振り返って悟を見る。
「キスぐらいでそんな怒んなよ、直哉くんともしてるだろ?」
もしかしたらこれ以上もしているかもしれない。
とても軽く言い放つ悟に、ななは睨んだ。