【R18】禪院直哉→私←五条悟❇︎傷だらけの婚約者❇︎
第5章 五条悟②
直哉に望まれて、自分も直哉を好きになり、その気持ちはどんどん薄くなっていった。
だけど……。
「……なりたい…。」
そうハッキリと分かったのだ。
ななが真っ直ぐに悟を見て言うと、悟はニコッと笑った。
「?!」
急に悟の体が動いて、ななの頭を掴んで引き寄せられた。
「………………。」
触れられると思った自分の唇に、思わず手を差し込んだ。
手のひらに悟の唇の感触を感じた。
「……思ったより、反射神経いいな。」
悟は舌打ちをすると、またソファに深く腰をかけた。
ポヤッとしているから、キスくらい簡単に出来るかと思ったのに。
「……………。」
ななは反射的に手が出てしまっただけで、この成り行きを整理出来ていない。
しばらく呆然としながら、今しがたの悟の行動を考える。
今……キスされそうになった?