【R18】禪院直哉→私←五条悟❇︎傷だらけの婚約者❇︎
第5章 五条悟②
お人形さんごっこ。
自分でも分かっている呪力の未熟さ。
実際に自分ではお人形さんごっことしてしか使っていない。
だけど…何故か。
他人に言われて傷付いて、悔しい思いが込み上げてきた。
ガッカリした様に、ななの術式に興味が無くなった様な悟を見て、沸々と闘志みたいなモノが湧いてきた。
「……………私でも呪力を上げれるの?」
下を向いてポツリと言ったななに、悟はニヤッと笑った。
「そんなモン、高専行きゃ嫌でも上がるわ。」
スッと悟はソファから立って、ななが座っているソファの肘置きに手を置いて、ななを見下ろした。
「…上げてぇんだな、呪力。」
悟に顔を覗かれる様に聞かれた。
「……上げたい…。」
ななはしっかりと悟の目を見ながら言った。
「なるか?呪術師。」
「……………。」
自分の術式が好きだった。
術式を持っていると分かった時は、父親のようにこの術式を禪院家で使うのだと思っていた。