【R18】禪院直哉→私←五条悟❇︎傷だらけの婚約者❇︎
第5章 五条悟②
悟はそう言って、自分の髪の毛をななに渡した。
「………………。」
ななは悟から受け取った髪の毛を藁人形の中に入れて、呪力を込めた。
「?!」
途端に藁人形はななの手の中で破裂したように飛び散った。
ビックリして思わず体が跳ねて、のけ反りそうになった。
「……だろうなぁ。」
悟はその光景が予想出来ていたかの様に膝をつきながら目を細めて見ていた。
「……………。」
何が起きたか分からないななは、ただ呆然と悟を見ていた。
「全っ然!呪力が足りてねぇんだよ。」
なな程度の術式をコピー出来ても、維持を出来る時間すら10分程度。
この術式をマスターしたとしても、きっとコピー出来るのは自身と同等程度の呪力の持ち主では無いと無理だろう。
つまり現状のななは何の呪術界にとっては何の価値も無い。
「まぁ、お人形ごっこ位には丁度いいんじゃねぇか?」
悟はつまらなそうに顔を伏せながら言った。