【R18】禪院直哉→私←五条悟❇︎傷だらけの婚約者❇︎
第1章 禪院直哉の婚約者※
(めちゃくちゃ可愛い子がおるな…。)
多分コレが直哉の初めてのななとの記憶だ。
とても遠縁で父親も大した術式を持っていなかったから、滅多に会う事は無かった。
年に何回かの挨拶で向こうから本家に来る位だ。
父親と母親の陰に隠れてフルフル震えている。
それはそうだろう。
直哉の父親直毘人は直哉が見ても恐ろしい。
笑わせてあげよう。
直哉はななを連れ出して雨蛙をあげた。
微妙な顔をしている。
何で?
喜ぶと思ったのに。
でもきっかけは出来た。
会えばケロ吉の事で話が出来るようになった。
そうなれば、本当にたまにしか会えないのが寂しい。
ケロ吉が死んだ頃に挨拶に来たななに、無能な兄達が群がるようになった。
(……後でしばこ…。)
無能な癖に分不相応な行いは見ていて腹正しい。
稽古にかまけて物凄くしごいた。
特にななの体に触った兄は病院送りになった。
(ほんまに生きててもしゃあない阿呆や。)
カスはカスらしく俺から隠れて生きていろ。
ななの目には2度と映るな。
ほんまにななは可愛いから心配や。