【R18】禪院直哉→私←五条悟❇︎傷だらけの婚約者❇︎
第5章 五条悟②
悟自身不思議な感じだった。
自ら直哉の側に戻ろうとしているなな。
彼女の俯いた顔は、どこかスッキリしていて、その選択が間違いないと自分自身に答えを既に出している。
なのに、悟はそれがどうしても気に入らなかった。
他人の決めた決定に、ここまで反論したいのは初めてだった。
「…腹膨れた?」
悟が膝を突きながらななに聞いた。
ななは顔を上げて悟を見た。
「うん…。」
きっとこれで悟とはお別れなんだ。
そんな思いで悟を見ながらななは答えた。
ガタッと悟が席を立った。
ななも慌てて悟に合わせて席を立つ。
食事の後を片付けて、さっさと店を出る悟の後を追いかけた。
「じゃあ…行こうか。」
悟はななの腰に手を回した。
またグラッと視界が歪んだ。
きっと次に目を開けたら目の前に直哉が居るだろう。
そう思いながらななは目をギュッと瞑った。