【R18】禪院直哉→私←五条悟❇︎傷だらけの婚約者❇︎
第5章 五条悟②
「……あの世界が歪んでるのは分かってる…。」
ポツリとななが言った。
直哉の欲望を満たす為の世界だと分かっていても、彼が好きで受け入れたのも自分だった。
「…京都に戻るよ。」
そう言ったななに悟は顔を歪めた。
ななは悟のその顔をみて、少し笑った。
「京都に戻っても、あの蔵に戻るつもりは無い…。
外に出してくれてありがとう…。
自分はやっぱり外に出たいと分かった。」
久しぶりに外に出て、そんな気持ちに気が付けた。
そして、やはり直哉の言う通り彼の側だけが自分の世界じゃ無いと思えた。
「だから…高専の京都校に行こうと思う。」
そうニッコリ笑ってななは悟に言った。
悟の隣に居るのではなく、直哉の隣で自分の世界も作ろうと思った。
「……それでいいの?」
納得のいかない顔で悟はななに聞いた。
他人の事でここまで干渉してくる悟は珍しい。