【R18】禪院直哉→私←五条悟❇︎傷だらけの婚約者❇︎
第5章 五条悟②
食事を終えて、ななは自分で涙を拭いた。
悟のトレーを見ると、彼も食事を終えた様だ。
「…コレからどうするの?」
「…んー?……。」
ななの問いに、悟は膝を突いて窓の外を見ていた。
そんな悟にななは目を細めた。
『ありがとう。』
思わずそんな言葉をかけてしまいそうだった。
悟のお陰で久しぶりに気分転換が出来た。
これ以上直哉を刺激する事は良くないと分かっている。
戻ろう。直哉の元に。
そしてこの思い出はしっかり胸にしまって。
いつもの様に、コレからも直哉の側で過ごしていく。
それが正解で、自分の住む世界だから。
フッと目を伏せたななに、悟は目を向けた。
「どうやったら、なながずっとこっちに居れるか考える。」
悟のその言葉を聞いて、ななは顔を上げた。
「……………。」
見つめ合った悟の目は、サングラスの奥で真っ直ぐななを見ていて。
その目が…とても綺麗だった。