【R18】禪院直哉→私←五条悟❇︎傷だらけの婚約者❇︎
第4章 五条悟
「……いくら悟でも、何も無いのに勝手に連れ出したりしないさ。」
ボソッと言った傑の言葉に、直哉の目線が今度は傑に向かった。
詳しい事情は分からない。
実際何で悟がななを連れ出したかも。
だけど、悟のななへの気遣い。
ななの言動を見て、傑は全く悟が悪いとも思えない。
同時に、目の前に居る直哉があまり気に入らない。
(悟くんと一緒の上級呪術師の夏油傑…。)
傑が自分を見る目に、直哉は顔を顰める。
こうして顔を合わせるのは初めてだが、お互いの名前も立場もよく知っている。
特に今回の騒動は、お家問題にも関わってくる。
いつもの悟の『悪ふざけ』でしたは通用しないだろう。
「悟くんが行きそうな所とか分からへんの?友達なんやろ?」
「……さぁ?新宿とか?」
漠然とした傑の答えに、直哉は舌打ちをする。
(…結構真面目に答えてやったのに…。)
ちゃんと捜索すればいいのにと、目の前の直哉を見て傑は思った。