【R18】禪院直哉→私←五条悟❇︎傷だらけの婚約者❇︎
第4章 五条悟
自分の名前を呼んで愛おしそうにななを見る直哉の顔が好きだ。
その直哉の横にずっと居ると思っていたのに。
何故か今は、ここに居たい。
そう思う様になっていた。
そう思えば思うほど胸はズキズキと痛み、直哉の顔が思い出される。
「なな。」
悟が呼ぶ声で、再びななは顔を上げた。
「着替えよう。」
そう言ってニコッと笑う悟に、ななはゆっくり頷いた。
「電源切ってる様だ。」
「………………。」
高専ではななを迎えに来た直哉が、傑の前に苛々しながら座っている。
傑が悟に連絡してみるも、悟は携帯の電源を切っている様だった。
ななに至っては、携帯すら持たせていない。
「どんな教育受けてんねん、人の婚約者勝手に連れ出して。」
ギロッと夜蛾を見ながら直哉は怒りを隠さない。