【R18】禪院直哉→私←五条悟❇︎傷だらけの婚約者❇︎
第4章 五条悟
「悟ーーーー!!!」
校舎から怒号が校庭に響いた。
その声に慣れている悟でも肩がビクッとなった。
ななは体全体で驚いて、その声の方向を見た。
校舎の窓からこちらに向かって怒鳴っているヒゲの男の人が何やら悟に怒っている。
「早やっ、もうこっちに連絡きたかっ。」
悟は面倒くさそうな顔をすると、ななをガシッと掴んだ。
「じゃあそう言う事だから、また後で!!」
そう言ってニカっと笑うとななを抱き上げた。
「え?」
傑達の驚く顔、悪い顔をして笑顔の悟。
全部に圧倒されている間にまたグラッの視界が歪んだ。
本日2度目の強制移動だった。
「………………。」
ザワザワとした人混みの音に、ゆっくり目を開けた。
そこは懐かしい新宿駅の前だった。
「取り敢えず人混みに紛れてるか。」
悟は残穢を消せるが、ななは分からない。
直哉なら微力なななの残穢すら追ってきそうだ。