【R18】禪院直哉→私←五条悟❇︎傷だらけの婚約者❇︎
第4章 五条悟
「入らないの?高専に。」
ニコニコと愛想よく聞いてくるのは相原だ。
隣で七海はただジッとななを見ている。
「ななの術式面白いよ。」
ポンとななの肩に悟の手が乗った。
面白い…。
よく直哉も言っていた。
人形遊びをする程度なら、直哉はいつも術式をそう褒めてくれる。
だけど呪術師になる為に術式を磨くのなら、全力で反対するだろう。
「……直哉くんが許してくれない。」
ポツリとそう言ってななは顔を伏せた。
ああ、早く帰らないと。
きっと直哉はたくさん心配してる。
大丈夫だと宥めてあげないと、また直哉の気持ちが加速しそうだ。
「ななはそれでいいの?またあそこに戻る?」
悟の声が聞こえてななは顔を上げた。
ななを見下ろしている悟の顔は諌めている訳でも、慰めている訳でも無く。
ただななの意見を聞こうとしている。