【R18】禪院直哉→私←五条悟❇︎傷だらけの婚約者❇︎
第4章 五条悟
ななを校内に連れて行く硝子の後を、2人は後ろから着いて行った。
「……悟、大丈夫なのか?」
傑のその言葉は『禪院家』は大丈夫か?と言う事だろう。
「……さぁ……分かんねぇ…。」
きっと大丈夫なはずが無い。
五条家を攻撃できる絶好のチャンスを与えたのだから。
特に直哉は今大変お怒りだろう。
直哉の事を考えて、悟はフッと笑った。
悟は分かっていた。
ななは禪院家に認められた婚約者じゃない。
あそこは御三家の中でも特に相伝術式に重きを置く家系だ。
五条家もそうだが六眼まで付くとなると、そうそう現れるモノじゃ無い。
相伝術式が産まれたら、それだけで儲けものの五条家とは訳が違う。
その為にあそこの家系は、母親になる女には術式の無い者を選んでいるはずだ。
直哉がななを気に入っているのは分かるが、今頃直毘人は喜んでいるだろう。
「まぁ、直哉くんがどう出てくるかだね。」
悟はななの後ろ姿を見ながら、これから楽しくなりそうな予感に笑って言った。