【R18】禪院直哉→私←五条悟❇︎傷だらけの婚約者❇︎
第4章 五条悟
なんだか2人のその言葉が。
なんの根拠も無いのに。
全身に突き抜けた。
それは思い浮かべた直哉の顔が霞む位に、ななに鮮明に2人の笑顔がスッと心に入っていった様だった。
「突っ走るな、お前ら。」
カチッとライターの音をさせて、硝子がタバコを咥えた。
その硝子の一声で、悟と傑からしゅんと笑顔が無くなった。
「なな。」
「はい!」
ニヒルな硝子の笑みがななに緊張感を与えた。
体育会系の様に返信をして体がピンと張った。
そんなななを見て、今度は柔らかい笑みを硝子は見せた。
「おいで、ここの事を教えてあげる。」
そう言ってななに手を差し出す硝子を見て。
ななの心臓がキュッとなった。
ななはすぐに悟から離れて硝子の元に歩み寄った。
「……俺達のキメ顔どうする?」
「……………。」
引っ込めた笑顔に2人はその光景を見て肩を落とした。