【R18】禪院直哉→私←五条悟❇︎傷だらけの婚約者❇︎
第4章 五条悟
傑の言葉に悟は渋々とななを降ろした。
そんなななを傑は目を細めてジッと見ている。
無理矢理悟に連れて来られたのでは無いか。
彼の目はそんな事を心配している表情だった。
半分正解で、半分外れだ。
いきなりこんな所に連れて来られて戸惑っているのに、ここが東京だと聞いただけでななの心は確かに高鳴った。
だけどすぐに直哉の顔が浮かぶと、ななの表情がすぐに暗くなる。
「………帰らないと……。」
勝手に口から言葉が出た様だった。
そんなななの言葉を聞いて、今度は悟が目を細めてななを見た。
「…あの部屋に帰りたい?」
悟のその言葉にななの目が見開いた。
そして自分の手を握りしている腕が震えている。
悟のその言葉と表現に、傑は何故悟がこんな行動をしたのかすぐに分かった。