【R18】禪院直哉→私←五条悟❇︎傷だらけの婚約者❇︎
第4章 五条悟
ななは呆然とその光景を悟の腕の中で眺めているだけだ。
「お前京都に行ったんじゃ無いのか?」
戸惑った様子で、長い黒髪をオールバックで結んでいる、同じ高専の服を着た男の人が悟に声をかけている。
「ああ、つまらないから帰って来た。
それより見て見て傑、硝子、可愛いでしょ〜禪院家で拾って来た〜。」
傑が焦っている様子を気にもしないで、悟は腕の中に居るななを2人に自慢する様に見せる。
「「……………。」」
傑と硝子の顔が明らかに歪んで絶句している。
「……悟……それは………。」
「さっさと元あった場所に戻しておいで。」
頭を抱えている傑をよそに、硝子はハッキリと手で払う様に悟に言った。
「えーーー、こんなに可愛いのに……。」
何処からか猫を拾ってきた雰囲気で悟はななの体をぎゅっと掴んだ。
「……悟……一回降ろそうか…。」
ななを放しそうもない悟に、傑はため息を吐きながら言った。