【R18】禪院直哉→私←五条悟❇︎傷だらけの婚約者❇︎
第4章 五条悟
「じゃー出て来て。」
「………………。」
悟の言葉にななは返事が出来ない。
世間では閉じ込められているというのかもしれない。
しばらく2人の間で沈黙が続き、悟からため息が聞こえた。
その音にななは肩をビクッと震わせた。
「あんたここから出たい?」
悟の言葉にななは顔を上げた。
「俺が攫ってやろうか?」
「何で?」
ななの問いかけに悟はにっこり笑った。
「あんたが綺麗だから。」
そう言って笑った悟の顔の方が綺麗だ。
ななはその笑顔に目を細めた。
「?!」
ななが返事をしない間に悟がななを抱き上げた。
「っあのっ!」
焦って悟を見るななに、悟はまだ笑みを浮かべたままだ。
「難しい事は後から考えよう。
ちょっと目を瞑ってて、気を失うと面倒だから。」
悟がそう言った瞬間。
視界がガクンと動いた。