【R18】禪院直哉→私←五条悟❇︎傷だらけの婚約者❇︎
第4章 五条悟
ガタッと頭上で音がした。
あり得ない場所からの音で、ななはフッと頭を上げた。
「うわぁ……マジでここに居た。」
ななは目を見開いて驚いた。
あの高い天井付近の窓から、先程会った悟が窓を開けて入って来たからだ。
フワッと浮くように悟はななの前に降りて来た。
「……ここがあんたの部屋なの?」
悟は少し顔を顰めて辺りを見渡した。
ななは少し唖然とその行動を見ていたが、すぐにハッと気がつくと、慌てて悟に言った。
「ダメです、入って来ちゃ!」
スッと悟から距離を取りながら、少しキツめの口調だ。
「……ここに閉じ込められてるの?」
ななの拒否の言葉も気にしないで、悟はななを見下ろしながら言った。
その表情はさっき会ったおちゃらけた雰囲気でな無く、真剣な表情だ。
「……そんな訳無いじゃない…。」
『閉じ込められている』と言う言葉に、ななは目を伏せた。