【R18】禪院直哉→私←五条悟❇︎傷だらけの婚約者❇︎
第3章 直哉との3年間②※
振り返って目に入ったのは、白髪の長身に。
綺麗なガラス玉の様な目をサングラスで隠している少年だった。
直哉と同じ高専独特の制服を着ている。
彼が術師だと一目で分かった。
直哉より背の高いその男を、いつもより首を曲げて見上げた。
「ここで働いてるの?」
外から来た人なのだろう。
ここでいいも悪いもななを知らない人は居ないから。
「……違います…。」
ななはそれだけ答えるとすぐに背を向けた。
禪院家で…直哉の近くで他の男の人と話をしてはいけない。
擦り込まれた感覚が、もう当たり前の行動になっている。
「そうだねぇ、まだ子供だよね。
ここの誰かの子供?」
スタスタと歩くななの後ろを付いて来ている様だ。
「…違います…。」
ななの親は御三家会議に来るほどの地位では無い。