【R18】禪院直哉→私←五条悟❇︎傷だらけの婚約者❇︎
第3章 直哉との3年間②※
だけど、もしそれが嘘なら……。
ななはぎゅっと布団を握った。
関係無い人を巻き込んで、迷惑かけただけだ。
ななの顔が歪んだを見ても、直哉は表情を変えなかった。
別にななが出て行って慌てたたり、焦ったりしていなかった。
普段からななを見ていたのだ。
『そろそろ』だと直哉は分かっていた。
ななが家を出てすぐに気が付いて、すぐにななを見つけていた。
それでもすぐに捕まえなかったのは、機会を見計らっていたからだ。
ななをここに閉じ込めておく、大義名分が見つかるまで。
そう…これでやっと直哉は心置きなくこの蔵に鍵をかけられる。
だから今あるのは怒りでは無くて、嬉しい気持ちの方が大きかった。
「東京行きないなら、俺が連れて行ってあげるさかい。」
直哉の手がななの顔に触れた。
ななは黙って直哉のその手を受け入れる。
「そやさかい、勝手に外に出るんはもう辞めような。」