【R18】禪院直哉→私←五条悟❇︎傷だらけの婚約者❇︎
第3章 直哉との3年間②※
一瞬直哉が…禪院家が追いかけて来たと思った。
息を殺す様に近付いてくる車を、ゴクッと唾を飲んで見ていた。
ライトが大きくなって来て、車体の形が見えて。
その中に乗っているのは、知らない男達だった。
ななはホッとして車から顔を背けると、何故か車が横に止まった。
運転席の男が窓を開けてななに話しかけてくる。
「こんな夜中にどうしたの?」
時刻は深夜の0時を過ぎていた。
確かに未成年の女の子がだ1人で歩いているのは不審な時間帯だ。
「…あの…駅に…。」
大人に声をかけられてななは激しく動揺した。
このまま禪院家に連れ戻されてしまうのではないか。
駅に行くと言ったななを、逆に男達は顔を見合わせた。
「……もう終電無いけど…。」
明らかに家出少女だと思われているのでは無いか。
このままでは警察に連絡されてしまう。
そんな負の感情がななを襲った。