【R18】禪院直哉→私←五条悟❇︎傷だらけの婚約者❇︎
第3章 直哉との3年間②※
直哉の言葉を聞いて、ななは期待が裏切られた気持ちになった。
それはとても悲しい気持ちで、涙が出そうになった。
「……出来ないよ…直哉くん……。」
直哉の機嫌を取るために、24時間直哉の隣に居る。
そんな関係を直哉と築く気持ちも無かった。
もっと普通に。
どうして一緒に居れないのだろう。
直哉くんは私がどうすれば満足するのだろうか。
そんな事を考えても、結局ななは直哉の全てを聞く事は出来ない。
直哉ははなからそれが分かっているから、いつも選択を与える様で結局は自分の望み通りにななを側に置く。
「……ここで大人しゅう過ごしてくれるやろ?」
満足そうに直哉がななの顔に触れた。
これ以上。
直哉に何かを言ってもしょうがない。
結局ななはコクリと頷いた。
きっと顔を上げたら、直哉は嬉しそうに笑っているだろう。
『安心』する直哉の顔が。
何故かその時は見たく無かった。