【R18】禪院直哉→私←五条悟❇︎傷だらけの婚約者❇︎
第3章 直哉との3年間②※
「ななを守る為やさかい。」
直哉が言うななの為が、いつも理解出来なかった。
「何が私の為なの?」
直哉を分かりたい。
理解して、一緒に居たい。
それだけを考えてななは直哉に聞いた。
「……俺が笑うてれば、ななも安心やろ?」
そう言った直哉は笑顔だった。
確かに直哉が笑っていたらいつも『安心』する。
直哉の目が笑っていない笑顔が1番怖い。
そして直哉のその言葉は、直哉の機嫌を取っていろ。
そんな風にななは聞こえた。
ななは直哉の着物の袖をギュッと握った。
「……ここは嫌だ…。
他の方法を一緒に考えよう…。」
目をギュッと閉じて、まるで祈る様にななは直哉に言った。
「……そうやな……。」
そんなななを見て、直哉はフッと笑いながら言った。
「せやったら俺の部屋で一緒に暮らすか?」