【R18】禪院直哉→私←五条悟❇︎傷だらけの婚約者❇︎
第3章 直哉との3年間②※
離れに住んでいるななの姿を、遠巻きに見る男の視線に。
直哉は酷くななを汚された気になった。
ああ…もう無理なんだ。
アレを止めるにはもう……。
ななを人目に触れさせる事をやめさせる。
それしか無かった。
「直哉くん…何で?」
久しぶりにななのその言葉を聞いた気がした。
戸惑った様に、それでも連れて行った場所までは素直に着いてきた。
ななが戸惑うのは当たり前だった。
直哉がななを連れてきた場所は、窓も無い。
蔵だった。
流石に、高い天井近くに窓はあった。
だけれども、ここなら離れの様に、ななを盗み見る輩はいない。
こんな場所にななを連れて行く前に、その輩を駆逐してきたんだ。
だけどダメだった。
結局、ななは何処に居ても男の目を引いてしまう。
それならー。
ななを俗世から離すしか無かった。