【R18】禪院直哉→私←五条悟❇︎傷だらけの婚約者❇︎
第19章 私の直哉くん※
笑い声さえ聞こえてきて、ななが自分が居なくても何も変わらず普通に生活している事が衝撃だった。
「……何やアレ……。」
自分はななのどんな顔を望んでいたのだろうか。
少なくとも、友人達と笑い合っているなななんて想像していなかったから、その現実に酷く惨めな気持ちになった。
捨てたのは自分なのかなななのか。
今ではどっちだったかも分からない。
笑う事なんてしばらくしていなかったから、ただななのその光景を見るしか出来なかった。
何もかもが気に入らないのは、やはり側にいる五条悟のせいだからだろうか。
この男が現れてから、全然思い通りにいかなかった。
「…悟くんはあんなななでええんやな…。」
だから、悔し紛れの悪態しか吐けない自分に悔しくなる。
「……直哉くんさぁ…、ななって言うほどそんなにいい女だった?」
「はぁ?!何言ってんや!!ななほど別嬪な女おらへんやろ!!」
悟の言葉に直哉は間髪入れずに怒鳴った。