【R18】禪院直哉→私←五条悟❇︎傷だらけの婚約者❇︎
第19章 私の直哉くん※
その時、校舎からななが七海達と一緒に出てきた。
直哉はサッと身体を隠した。
それを黙って悟は見ている。
ななだと頭が確信すると、心臓があり得ない位に痛くなった。
ななの傷だらけの顔を見るだけで、未だに吐き気に襲われる。
(あかん……やっぱ無理や……。)
直哉は青い顔をして、口元を押さえた。
やはりどうしても、ななを受け入れる事は生理的に無理な様だった。
「……悟くん…なして大丈夫なん?あんなの…… ななじゃないやろ…。」
「どう見てもななだろ。」
グチグチ言う直哉に、悟はキッパリと言った。
「ほら。」
そう言って、悟が指差す方向を見た。
悟の指の先には、七海達と肩を並べて、共に笑い合っているななの姿があった。
衝撃的だった。
そのななの顔に、一瞬吐き気さえ忘れた。
あんな姿になったら、ななは日陰暮らさをしながら、直哉に捨てられた事を思い返しながら泣いていると思っていた。
どうやらそれは、勝手な直哉の願望だった様だ。