【R18】禪院直哉→私←五条悟❇︎傷だらけの婚約者❇︎
第19章 私の直哉くん※
いや…さぁ…。
抱こうとしたよ…思いきり。
あんなのが僕とななの最初で最後のSEXになるなんて思わなかったよ。
「なな、好きだよ。多分…もう…お前だけしかそう思えない。」
それはもう2度と無い告白だった。
やっと手に入ったと思ったから、気が緩んだのかな。
ななを抱き締めて、目に見える場所にキスを繰り返した。
堪らなくなって、服に手を掛けてその肌を更に裸させようとした時に、ななの声が聞こえた。
「………さい……。」
すぐにその言葉は悟を否定する言葉だと分かった。
悟はゆっくりと目を閉じた。
「ご……ごめん…なさ…っ…悟くん…、ごめんなさいっ……。」
ななは壊れた玩具の様に、ごめんなさいしか繰り返さない。
あんな男の何処がいいんだ。
そう叫びたくなるのを必死で堪えた。
いつも情けない事を悟に曝け出しても、悟は呆れた顔でその後笑ってくれていた。
だけど、今の悟の顔は、本当に自分に落胆している顔だと分かって、涙が止まらなかった。