【R18】禪院直哉→私←五条悟❇︎傷だらけの婚約者❇︎
第19章 私の直哉くん※
(…本当に何度目かね……。)
ああ、本当にもう嫌になるな、こうして見送るのは。
そう思いながらも、悟はいつも通りななを止めない。
今度戻って来ても絶対に慰めるものか。
毎回そう思いながら、今日も悟はななの後姿を見送る。
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柄部隊は住み込みだ。
再びこの屋敷に自分の荷物を持って来るのも奇妙な感じがした。
いつも通り裏口から、屋敷の中に入る。
少し歩いて、ななはすぐその存在に気が付いた。
驚いた様に見上げると、全壊したはずの『あの蔵』がそこにあった。
ななは引き込まれる様に蔵の前まで歩いた。
南京錠が付いていない…。
ゴクッと喉を鳴らして、ななは蔵の扉を開いた。
ギィ……と重たい音と共に、現れた光景に、ななは自分の目を疑った。
そこは、あの時ななが住んでいたまま、時間が止まった様にその時の部屋を再現されていた。