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【R18】禪院直哉→私←五条悟❇︎傷だらけの婚約者❇︎

第19章 私の直哉くん※


入った部屋はちょうど良く誰も居なくて、悟は畳の上にななを寝かせた。




ボロボロ泣きながら自分を見上げるななに、悟はゆっくりと唇を落とした。

唇を滑らせると、何処にキスをしても傷跡が触れる。

それすら愛おしくて、何度も何度もななの顔にキスをする。




決して自分じゃ泣き止まない。

どうしても直哉を剥がすことが出来なくても、やはりこうして何度もななに気持ちをぶつける。

本当は今だって、あの男の事で泣いているのは許せない。





それでも、何度そう思っても、こうしてあの男に傷付けられているななを見る度に手を差し出したくなる。





「なな、好きだよ。多分…もう…お前だけしかそう思えない。」





悟のその言葉は涙を誘うものでは無かった。

止まらない涙は全て、直哉の為のものだ。




ななは悟の肩越しに、開かれている襖から見えた青い空を見上げた。

悟の瞳と一緒の綺麗な蒼が空一杯に広がっている。

その蒼を掴もうとして、ななは空に手を伸ばした………。






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