【R18】禪院直哉→私←五条悟❇︎傷だらけの婚約者❇︎
第18章 始まりと終わり※
「直哉くんがこんな姿になったななを受け入れることを望んでんの?」
相変わらずななの心情を試す様な言い方でななを見上げる。
悟の六眼に見据えられても、ななは真っ直ぐにその目を見ていた。
「そうだよ。」
ななの答えを聞いて珍しく目を伏せたのは悟の方だった。
自分でも呆れるこの答えが本心だ。
ななは傷だらけの自分の体を改めて見る。
顔に触れれば凸凹の傷跡が手の感触で分かる。
自分は直哉の理想の女性から随分と遠のいた。
分かってはいるけど、その事に目を逸らしているままの直哉にも、また腹が立っているのも事実だ。
もう本当に白黒付けなきゃいけない時期に来ているんだ。
そうしなければ、ずっと直哉を追う事になる。
「……行けばいいんじゃない?」
そう言ってななの体から手を離す悟を見て、悟ならそう言うと何処かで思ってた。