【R18】禪院直哉→私←五条悟❇︎傷だらけの婚約者❇︎
第18章 始まりと終わり※
それから半年は、リハビリと術式の鍛錬に明け暮れた。
一度死の縁を彷徨えば、見える景色が変わって、もう戦えないと思っていた気持ちもいつの間にか消えていた。
呪力が底上げされた感覚に毎日身を預けながら、時間が過ぎて行くのをただ過ごしていた。
もちろん、その時間に直哉は居なかった。
だけど、いつまでもそうしている訳では無く、いつかは会いに行かなければと先延ばしにしていた問題とぶつかった時。
隣に居たのは五条悟だった。
「……今更会いに行きたいね……、ななの往生際の悪さと言うか…、どんな扱いされるか分かってて行こうとしてるなら真性のドMだね。」
悟は呆れた様に、ななの体の傷を触りながら言った。
違うと言いたいが、概ね悟の言っている事で合っている。
会わなきゃ終わりに出来ないなんて、自分でも未練がましくて気持ち悪い。
特に、こんな姿になって直哉に会いに行くのだから。
ななは自分の身体をベットで横になって触っている悟の手を見た。