【R18】禪院直哉→私←五条悟❇︎傷だらけの婚約者❇︎
第18章 始まりと終わり※
そんな時にいつも側に居たのは悟だった。
「赤みをだいぶ引いたけど、まだ顔も引き攣ってるからビックリしないでね…。」
そう言ってななの包帯を医師が丁寧に解いていく。
もう痛み止めを飲まなくても、済むくらいに痛みは引いていた。
包帯を巻かれて、顔が蒸れて痒かった位だから、久しぶりの外気が顔に当たるのが心地良かった位だった。
隣には悟が居て、黙ってその光景を見ていた。
「いいよ…。」
そう医師に言われてななはゆっくりと目を開けた。
鏡に映った傷だらけの自分の顔を見て。
直哉くんが逃げるのも納得だなと、妙に落ち着いていた。
ななはゆっくりと悟を見た。
悟はななの目線に気がつくと、ニッコリ笑った。
「良くなって安心したわ。」
いつもの様に笑いながら言った悟に、ななもまた笑った。
そうして悟の手を取ると、ななはゆっくりとベットから降りた。