【R18】禪院直哉→私←五条悟❇︎傷だらけの婚約者❇︎
第18章 始まりと終わり※
全身を包帯で巻かれて、無数の管で繋がり。
見えている肌は赤黒く腫れ上がり、まるでななの面影が無かった。
確認しなくても分かった。
『アレ』はもう……元には戻らない。
そう頭が確信すると、また急激な吐き気に胃液を出した。
「あっ……はぁ…はぁ………どちくしょう……。」
あんなんが、俺のななのはずがあらへん。
そう思っていたのに、あの肉の塊から確かにななの声がした。
頭がおかしくなりそうな感覚に、直哉は両手で頭を毟った。
「直哉くん、大丈夫?」
聞こえてきた悟の声に、直哉は顔を上げた。
「顔色悪いね、大丈夫?ハンカチ使う?」
そう言ってハンカチを差し出してきた悟の手を思い切り払った。
「自分……何で特級の所なんかになな送ってん!!」
そう言って直哉が悟の胸ぐらを両手で掴んだ。
興奮して目が充血しているななを、悟は黙って見下ろしていた。