【R18】禪院直哉→私←五条悟❇︎傷だらけの婚約者❇︎
第18章 始まりと終わり※
目に入った直哉は、凄く顔を歪めて俯いていた。
その表情が、自分が今どれだけ重症なのか分かった。
「………直哉くん…。」
声だけはかろうじて出たが、声を出すだけで全身に痛みが走った。
「……人呼んでくる。」
ななが痛みに顔を歪ませているのが分かって、直哉は椅子から立って病室を出た。
病室を出て、すぐに看護婦を見つける。
「……痛がってるさかい、何とかしたって。」
直哉に言われた女性は、すぐにななの病室に入っていく。
それを見て、直哉は病室に戻る事はしなかった。
そしてそのまま走り出すとすぐに外に出た。
「っ!っがはっはぁっ……っ!」
外に出た瞬間に、我慢していた胃液が全部出た。
「はぁ、はぁ、はぁ…。」
自分から出た胃液を見ながら、直哉はグッと拳を握って壁に付けた。
なんやあれ……。
肉の塊からななの声が聞こえた。