【R18】禪院直哉→私←五条悟❇︎傷だらけの婚約者❇︎
第18章 始まりと終わり※
「顔色悪りぃなぁ、大丈夫か?」
多分、東京校の最後の仕事になるだろう。
同行者は1年生担任の日下部だった。
一見気だるそうに見える風貌だが、2級術師と実力は確かな人物だ。
「今日は、俺のコピーでやるんだろ?」
「はい。」
この頃ななは、2級術師までの術式はコピー出来ていた。
そして、新・陰流はななにとって相性がいい術式だった。
顔色が悪い。
その程度では貰った案件を落とす事なんて、呪術師の中では無かった。
自己管理が出来る事が前提だったから。
だから、『その事故』は誰のせいでも無く自分の管理不足だった。
なな自身分かっていなかったのだろう。
昨夜、あのように悟に抱かれた事が、こんなにも自分に影響される事だったと。
「…………窓の確認不足だな……。」
帳を下ろして現れた呪霊を見て、日下部は呟いた。
現れた呪霊に、ななは初めて『足がすくむ』感覚を覚えた。
それは間違いなく『特級』だった。