【R18】禪院直哉→私←五条悟❇︎傷だらけの婚約者❇︎
第18章 始まりと終わり※
朝目覚めたら悟は居なくて、ななはしばらくベットの上でボーッとしていた。
だんだんと冷めてきた思考で、ななは昨夜の悟を思い出す。
まるで別人だった。
今まで悟と過ごしてきて、彼をあんな風に怖いと感じたりはしなかった。
ぶつけられた悟の負の感情を思い出すと、ななはまた顔が歪んだ。
「いっー。」
起き上がろうとして、身体全身に痛みを感じた。
あんな大柄な男に思い切り抱き締めながら抱かれたら、身体のあちこちは筋肉痛の様に痛んだ。
そして下半身にも明らかに痛みが残っていると分かると、やっと昨日自分が悟に何をされたのか理解出来た。
悟くんは……。
一見怒りも感じたが、最後の方で悟から感じたのは自分への諦めだった。
最後はただ怒りも無く、無表情で自分を抱いた悟の顔を思い出す。
ななは大きく息を吐いて、両手で顔を覆った。
この身体の痛みが無ければ、到底信じられなかった。