【R18】禪院直哉→私←五条悟❇︎傷だらけの婚約者❇︎
第18章 始まりと終わり※
声を掛けたのは、ただの暇つぶしの好奇心だった。
振り返って俺を見上げるななを見て、思ったより可愛い顔に楽しくなったのは間違い無かった。
まぁすぐにまた、気分が悪くなったけど。
禪院直哉がななの横に立った時に。
相変わらず、腹黒い捻くれた笑い方をする男だと思った。
だけど今日は少し、その貼り付けられた笑顔の奥に、怒りが見えた。
その怒りは目の奥からななに近付くなと言っている。
馬鹿だよねー。
俺は直哉くんよりも、もっと捻くれ者なんだ。
そんな顔で大切そうに肩を抱く直哉くんを見たら、余計に興味を持っちゃう。
直哉くんに連れられて、最後にチラッとななが俺を見た。
俺はそのななの顔を見て考えていた。
さぁどうするか。
遊ぶか、止めるか。
答えはななが連れて行かれた蔵を見た瞬間に決めた。