【R18】禪院直哉→私←五条悟❇︎傷だらけの婚約者❇︎
第18章 始まりと終わり※
クソつまんねぇ御三家会議にわざわざ出向いたのはほんの気まぐれだった。
特に禪院家の家の雰囲気は好きじゃなかった。
俺を見る目も、ガツガツし過ぎた武道派の軍隊も全て肌に合わなかった。
着いた瞬間から帰る事しか考えて無かったけど、たまには俺だって五条家の政くらいするよね。
俺という存在がその場に居ることに、すでに意味を持っている。
少し早く来すぎた禪院家で、長い廊下を座布団を持って一生懸命に歩いている女の子が目に入った。
側に居るのは、あの子が出した術式だろうか。
自分をコピーしている?
似た様な背丈の術式が、同じ動きで彼女と一緒に働いていた。
ここからじゃ良く見えなかったので、その顔が覗ける位に近寄った。
ななの顔を覗いた時に、この退屈な時間を変えられるとすぐに分かった。
『面白い術式だね。』
そう俺が言って、驚いた様に振り返ったななは、思った通りに綺麗な顔をしていた。