【R18】禪院直哉→私←五条悟❇︎傷だらけの婚約者❇︎
第17章 夏の終わり※
別に今更恥ずかしい様な気持ちは無かった。
そうだ……。
本当は悟にキスをされていても、直哉ほどのときめきを感じた事は無い。
最初こそびっくりしてドキドキしたが、何度もキスをしているうちに慣れがでて、今じゃ悟とキスをした位ではこの胸はときめかない。
今キスしようとしている唇が震えているのは、そんなななの心の内を、目の前の六眼がとっくに知っていたと分かったかだ。
軽く唇が触れると、悟の目が細くなる。
「…もっと…いつも俺がする様に…。」
そう言われて、深く悟の唇に自分の唇を押し当てた。
ヌルッとした悟の舌の感触が唇に触れた。
少し開いた悟の唇は、ななの舌が入ってくるのを望んでいる。
ななはぎゅっと目を瞑り、怖い気持ちを押し込めて、いつも悟にされる様なキスを必死に真似した。
いつもキスをすると触れてくる悟の手は動かない。
悟が満足しているかも分からずに、ななは悟に止められるまで舌を絡めてキスを繰り返す。