【R18】禪院直哉→私←五条悟❇︎傷だらけの婚約者❇︎
第17章 夏の終わり※
悟の様子がいつもと違い過ぎて、目を合わせる事ができなかった。
「…知り合いだった?」
傑と同じ事を聞かれて、ななは首を振った。
「ならどうして警戒してるの?」
背中に冷蔵庫がぶつかり、もう退がれなくなって、悟が顔を覗き込んできた。
悟の口元がふっと笑うのが見えた。
「俺が人殺したから怖い?」
怖かったのは、変わった悟の雰囲気と。
笑ってこんな質問を投げかけて来る、この異様な状況だ。
何を答えれば正解かも分からなくて、口を開こうとしては閉じる。
そんな事を数回繰り返しても、言葉が出てこなかった。
「…俺も殺られたんだよ…、一方的に殺った訳じゃない。」
スッと悟の顔が離れて、ななは思わず安堵の息を漏らした。
そのななの行動を横目で見て、悟の目が細くなった。
「あ……大丈夫……?」
「大丈夫って…何が?体の心配?それとも人を殺して大丈夫か聞いてるの?」