【R18】禪院直哉→私←五条悟❇︎傷だらけの婚約者❇︎
第17章 夏の終わり※
夏も終わりそうなのに、その日は寝苦しくて夜中にふと目が覚めた。
何度も寝返りをして、自分の寝やすいポジションを探すが、一向に眠気はこなかった。
(…喉乾いた…。)
どうやっても眠れそうに無かったから、ななはベットから降りて食堂にある共有の冷蔵庫に向かった。
暗い廊下をペタペタとスリッパのまま歩いて行った。
窓の外の月明かりだけが頼りの暗さの廊下に、不気味さや恐怖は無い。
ここは唯一呪いが居ないと分かっているから。
食堂に着いて、電気を付ける事もしなかった。
別に月明かりだけでも充分目は見える。
そのまま簡易な台所に向かい、冷蔵庫を開けたら灯りが少しだけ部屋に広がった。
「!?」
気が付いた人影に、手に持ったペットボトルを思わず落としてしまった。
ゆっくりとその人影を確認して、ななは声を掛けた。
「………悟…くん?」
ゴクッと息を飲んで目を凝らすと、そこには食堂のテーブルに腰掛けている悟が居た。