【R18】禪院直哉→私←五条悟❇︎傷だらけの婚約者❇︎
第17章 夏の終わり※
禪院家の外に出られて、初めて見たキラキラした人達の横に並んでみたかった。
簡単に禪院家から自分を拐った悟くん。
肩を並べる様に、当たり前の様にいつも横にいる傑先輩。
そんな2人の間で、2人をたしなめる硝子先輩。
そして、彼らの後ろを当たり前に付いて進んでいく、七海と灰原。
そんな人達の中なら、何も出来ないで蔵の中で過ごしてきた自分が変われるんじゃないか。
そんな期待に身を焦がしていた。
いつも気にかけてくれて、振り返ってくれる悟を思い出しながらゆっくりと目を瞑った。
この気持ちは恋愛じゃない…憧れだ。
決して憧れが冷めたわけではない。
現実に打ちのめされただけだ。
そして私は、直哉くんの腕を取り。
その現実から目を背けて、彼らの様に強い呪術師の…。
その他の一部として生きていく。
少し触れた眩しい光景があまりにも居心地がよくて。
逃げたいのに、ここを離れるのが辛いなんて。
そんなわがままを言えなかっただけだ……。