【R18】禪院直哉→私←五条悟❇︎傷だらけの婚約者❇︎
第2章 直哉との3年間※
ななは自分の術式が気に入っていた。
でも、直哉の世界ではななが術式を使う事は許されなかった。
ななの術式は『術式のコピー』だった。
藁人形に対象の体の一部を埋め込めば、藁人形だったそれはその人物の体の大きさになり、その対象の術式を人形が使えるモノだった。
相伝でも何でも無い。
ななが生まれもった術式だ。
人形はのっぺらぼうで、ななの呪力では人形を動かすには10分ほどしか持たなかった。
ななは呪術師としての訓練を受けていない。
直哉が無駄だと思っているからだ。
ななは藁人形に自分の髪の毛を入れた。
呪力を込めれば、藁人形はななの姿形になり、ななの目の前に現れた。
「……話をしようか…。」
他に誰もいない、知らない土地でななの話し相手は自分で呪力で作った人形だった。