【R18】禪院直哉→私←五条悟❇︎傷だらけの婚約者❇︎
第16章 直哉と悟※
悟の手がななの手を掴んで、そのままベットに組み敷いた。
見上げると、無表情で自分を見る悟に、ゴクリと唾を飲み込んだ。
「…このまま抱いていい?」
なんの感情も感じられないで、悟の言葉だけが耳に届いた。
そして悟の唇が首元に触れた時に、我に返った。
対抗しようとも、手を掴まれている悟の手を振り払う事が出来なくて、身を捩らせる位だった。
そんな小さな抵抗は、悟の腕の中では大した抗議にもならない。
「…辞めてよ…。」
抵抗する事を諦めて、ななは低い声で悟に伝えた。
一瞬、悟の唇が離れて、また体を起こしてななを見下ろした。
悟はななの手を離すと、そのままななの顔に手のひらを置いて、小さな顎を掴んだ。
「…この顔に傷が付いたら、直哉くんが俺にくれるって。」
そう笑いながら言った悟の表情と言葉に目を見開いた。