【R18】禪院直哉→私←五条悟❇︎傷だらけの婚約者❇︎
第16章 直哉と悟※
「……呪術師やってるなら、体に傷作る事くらい当たり前だろ。」
ななの服の下にどんな傷があるのかなんて知らない。
それを見た事があるのは直哉だけなのだから。
その事実が悟を苛々させた。
「直哉くんは、よっぽどななの外見が好きなんだねぇ。」
自分のお人形さんを汚された感じの怒りなのだろうか。
「…当たり前やろ。」
直哉は当たり前の事を言う悟に、呆れた様にため息を吐いた。
「なんか……ななの顔に傷付いたら、直哉くん平気で別れそうだね。」
ななが作った傷を見せびらかす様に直哉に抱かれている意味が分かった気がした。
それはななの試し行動なのだろう。
なな自身もまた知りたいのだろう。
直哉の気持ちを。
どんな自分でも、直哉は自分を好きでいられるのか。
悟はスッと目を伏せた。
そんな事を試して何の意味があるのだろうか。
(本当に馬鹿だな…。)