【R18】禪院直哉→私←五条悟❇︎傷だらけの婚約者❇︎
第16章 直哉と悟※
「腹立つ。ななに相手にされてへんくせに…。」
「だから、本気出してないだけだもん。」
「悟くんが本気出したってななは好きにならへんで。」
直哉の言葉はムカつくが、実際そうかもしれない。
ななに触れてキスが出来た所で、あの気持ちを自分に向ける算段は全然付いていなかった。
別にすぐにななの気持ちが欲しい訳でも無いから、焦っている訳では無い。
そして悟は確信している。
目の前の男は、自分が何もしなくとも自滅するだろうと。
「まぁ、ななが決める事だし?直哉くんも苦戦すると思うよ。
ななはかなり頑固だからね。」
ニヤッと笑った悟の顔にイラッとする。
まるで自分が1番ななを知っているかの様な言い方だからだ。
相手が悟じゃなかったら、とっくに手が出ていただろう。
「はぁ…とにかくななが傷つけへん様にして。」